auひかりは、住んでいる地域やマンションによって様々な契約タイプに分類され、タイプによってインターネットの通信速度も違えば月額料金も大きく変わってくるのです。
この記事では、それぞれのタイプにどのような特徴があるのかを交えながら月額料金や通信速度について紹介していきます。記事の後半ではV契約からG契約へタイプを切り替えるための方法についても解説していますので、切り替えを希望される方は参考にしてみてください。
auひかりマンションのタイプは8種類ある
現在のauひかりマンションには8つのタイプが存在していて、それぞれ以下のような名称となっています。
- マンションタイプG
- マンションタイプV
- マンション都市構造
- マンション都市構造G
- マンションタイプE
- マンションタイプF
- マンションギガ
- マンションミニギガ
それぞれ通信速度から月額料金、対応エリアまで大きく異なっていきます。詳しい解説は後ほどしますので、ここでは8種類のタイプがあるとだけ覚えておきましょう。
タイプは自分で選ぶことはできません
未契約の方は、「マンションタイプが8種類あってどれにしようか迷う…」と、感じてしまいますが、auひかりのマンションタイプは自分で選ぶことはできません。まず、各マンションタイプには利用できるエリアと設備が変わってきます。
つまり、マンションタイプGの設備しかないマンションに住んでいるのであればマンションタイプGとしか契約することができないのです。速さはそこまで必要ないから安いタイプが良いと思っても、そのマンションで契約できるのは料金の高いタイプしかないということも珍しくありません。
どのタイプに該当するか調べる方法
では、自分の住んでいるエリアや集合住宅がどのタイプに属しているのかを調べる方法について確認していきましょう。確認方法としては以下の2つがあります。
01auひかりの公式サイトで調べる
一番簡単な方法は、auひかりの公式サイトから住所を選択して調べることです。手順は以下のようになります。
- トップページにある「提供エリアを調べる」を選択
- マンション/アパートを選択して郵便番号を入力
- 表示された住所や建物名を選択
- マンションタイプが表示される/されない
もし検索しても出なかった場合、そのマンションではauひかりのマンションタイプは入っていません。その場合はホームタイプでの契約も検討してみましょう。
もしくは、「お住まいのマンションが見つからないお客さまへ」を選択することによって、auひかり以外のサービスを調べることも可能です。そこに表示されるものはすべてスマートバリューが適用されるサービスとなっています。
02電話でカスタマーサポートなどに問い合わせてみる
auひかりのカスタマーサポートや代理店などに電話やメールで問い合わせてみましょう。自分が住んでいる地域でauひかりが使えるか、使えたとしてどのタイプになるのか教えてくれます。auひかりに関して直接質問することもできますので、インターネット関連に疎い人はついでに疑問点なども聞いておくと良いでしょう。
タイプ別の月額料金・速度などの比較表
タイプ名 | 月額料金 | 最大速度 | 契約条件 | 配線 |
---|---|---|---|---|
マンションタイプG | (お得プラン) 16契約以上:4,180円 8契約以上:4,510円 (通常プラン) 16契約以上:5,390円 8契約以上:5,720円 |
下り:664Mbps 上り:166Mbps |
首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県) 関西(大阪府、兵庫県)の一部マンションのみ |
電話線(G.fast方式) |
マンションタイプV | 16契約以上:4,180円 8契約以上:4,510円 |
下り:100Mbps 上り:100Mbps |
とくになし | 電話線 |
マンション都市構造 | 4,180円 | 最大:100Mbps | UR都市機構の賃貸マンションであること | 電話線 |
マンション都市構造G | (DX-G) お得プラン:4,180円 標準プラン:5,390円 (DX) 4,180円 |
(DX-G) 下り:664Mbps 上り:166Mbps (DX) 下り:100Mbps 上り:100Mbps |
UR都市機構の賃貸マンションであること | 電話線(G.fast方式) |
マンションタイプE | 16契約以上:3,740円 8契約以上:4,070円 |
下り:100Mbps 上り:100Mbps |
とくになし | 光ファイバー方式 |
マンションタイプF | 4,290円 | 下り:100Mbps 上り:100Mbps |
とくになし | 光ファイバー方式(設備は100Mbps対応) |
マンションギガ | 4,455円 | 下り:1Gbps 上り:1Gbps |
とくになし | 光ファイバー方式 |
マンションミニギガ | 5,500円 | 下り:1Gbps 上り:1Gbps |
・3階建て以下 ・総戸数が8戸以上 |
光ファイバー方式 |
※料金はすべてインターネット料金のみで記載
マンションタイプGの特徴
- 下り最大速度が664Mbpsと、光回線に次ぐスピードを誇っている
- 対応ルーターも高スペック
- 月額料金もマンションタイプVと変わらない
- 対応エリアが狭く、対応プロバイダも少ないのが現状
マンションタイプG最大の特徴は、電話線を使ったインターネット接続にも関わらず下り最大664Mbpsという速度を実現していることです。共有部までは光ファイバーですが、各戸までは電話線を利用している「VDSL方式」となっています。
現状マンションタイプGに対応しているエリアやマンションは少ないです。首都圏と関西にしか対応しておらず、引っ越した先がたまたまマンションタイプGだったということも珍しくありません。
対応しているプロバイダも少ないため、「キャンペーン内容」でプロバイダを選ぶのが難しいというデメリットもあります。しかし、今後はマンションタイプGに対応したマンションも増えていくと思いますし、切り替え自体も難しくないため期待したいところです。
マンションタイプVの特徴
- VDSL方式でインターネット接続を行う
- 速度は下り最大100Mbpsと速くもないが遅くもない
- 実際は光回線よりも速いこともある
- 契約条件もとくになく最も多いタイプ
auひかりの中で最も多くのマンションに対応しているのがマンションタイプVです。共有部までは光ファイバーが通っており、各戸までは電話線を使って接続されています。これをVDSL方式と呼び、マンションタイプVのVはこの方式の頭文字を取ったものです。
下り最大速度は100Mbpsと、マンションタイプGの664Mbpsや光回線の1Gbpsと比べると遅く感じるかもしれません。実際はYouTubeの最高画質でも問題なく視聴できるほどのスピードは出ます。
因みに、最大速度100Mbpsと公表されているのに実際は半分か良くて70Mbpsほどしか出ないのには理由があります。それがベストエフォート型サービスという方式を取っているからです。簡単に解説すると、「公表した最大速度が出るように努力はするが、必ずしもその速度になるかは保証できない」というものです。
インターネットというのは、多くの人が使えば使うほど回線に負担がかかり速度が遅くなります。そのため、確実に速度が出るという保証ができないのです。
しかし、このベストエフォート型サービスというのは料金を安くできるというメリットもあります。もう一つの利点として、光回線よりも利用者が少ないため回線が混みにくく実際に光回線よりも速度が出ることもあるのです。
そもそもauひかりはKDDI独自の回線を使っているため、フレッツ光などよりも回線が安定しやすいという特徴があります。マンションタイプVは速度も安定しやすく料金も安め、多くのマンションに対応していることからおすすめのタイプとも言えるでしょう。
マンション都市構造の特徴
- URマンションでは都市構造DXというプランが基本
- マンション都市構造の中にも複数プランがある
- マンションタイプVと同様プラン
- 通信速度も最大100Mbpsなので高速ではない
UR都市構造で、auひかりに対応しているマンションで使えるプランです。マンション都市構造は「都市構造DX」と「都市構造G DX-G(※後述)」、「都市機構/都市機構G 16M(B)ベーシック」「都市機構/都市機構G 16M(R)レンタル」の4つに分けることができます。
最もオーソドックスな都市構造DXは、上記のマンションタイプVと同様のプランというイメージで問題ありません。ベーシックとレンタルは月額料金が安いものの最大16Mbpsと、光回線にしては遅いため余りおすすめできません。
マンション都市構造Gの特徴
- 配線は光ファイバーのため高速通信が可能
- 通信機器の変更が必要なため対応まで時間がかかる
- 現在はまだ対応物件が少ない状態
上記のマンション都市構造と同じように電話線を使うのですが、そこに光ファイバーを活用することで高速通信が可能になったプランです。DX-Gの最大下り速度は664Mbpsと、DXよりも6倍以上の速度が出るようになります。
ただし、都市構造Gの利用にはマンション共有部にあるauひかりの通信機器を変更する必要があります。UR都市機構は大型物件が多いため、すぐに変更することができないため実際に利用するには時間がかかってしまうのです。しかし、今後は都市構造Gに対応したURマンションが増えると言われています。
マンションタイプEの特徴
- 回線自体は光ファイバーで、そこからLANケーブルを使って各部屋に配線されるタイプ
- 通信速度は下り、上りともに100Mbps
- LANケーブルで繋ぐため、電話線よりも速度が安定しやすい
- 月額料金はauマンションタイプの中で最安値
- 口コミの評価も高く、LANケーブルの規格によっては速度上昇の可能性もある
マンションタイプEは、光ファイバーを建物共用部まで引き込み、そこから各戸までは棟内に配線されているLANケーブルを利用してネット通信を行うタイプです。建物共有部までは光ファイバーなのですが、そこから各部屋に配線する際にはLANケーブルを使います。
そのため通信速度自体は100Mbpsと光回線にしては遅く感じてしまいますが、マンションタイプVのように電話線を使ったタイプと比較してノイズや他機種の干渉が少なく、速度低下が起こりにくいと言われています。
また、マンションタイプEはauひかりマンションタイプの中で最も安い料金プランです。同じ速度のマンションタイプVと比較しても、速度はタイプEの方が安定しますし料金も安くなっています。口コミでも安定して90Mbps以上出ると評価している人もいるくらいです。
さらに、LANケーブルの規格によっては100Mbps以上出ることもあります(基本は最大100Mbps)。そのため、住んでいるマンションにタイプEが導入されていたらラッキーとも言えるでしょう。
マンションタイプFの特徴
- 回線自体は光ファイバーだが、データを送る設備は100Mbps対応(速度自体は安定)
- 最大速度は下り、上りともに100Mbps
- 月額料金は同じ通信速度のプランと比較して少し高い
- 利用できるプロバイダは4つのみ
マンションタイプFは、光ファイバーを建物共用部まで引き込み、その建物共用部から各戸まで棟内に配線している光ファイバーを利用してネット通信を行うタイプです。光回線を使っていますが、各部屋にデータを送る設備が100Mbps対応となっているため、下りおよび上りの最大速度は100Mbpsとなっています。
ここが意外と間違いやすいポイントなので覚えておきましょう。月額料金は4,290円と同じ通信速度であるマンションタイプVやマンションタイプEと比べて少し高いです。現在契約できるプロバイダは「au one net/So-net/BIGLOBE/@nifty」の4つとなっています。
マンションギガの特徴
- 回線は光ファイバー方式
- 最大速度は下り、上りともに1Gbpsと非常に速い
- 月額料金は比較的高め
マンションギガは月額料金が少し高めになっていますが、その分他のタイプとは比較にならない高速通信が可能となっているライプです。最大速度は1Gbpsと、光回線として充分の速度に期待できるでしょう。
配線方式は共有部から各住戸へ光ファイバーで繋がっています。口コミなどでも通信速度が安定していてストレスが少ないという声が多いです。動画視聴やオンラインゲームをメインにしている人はマンションギガが向いています。
マンションミニギガの特徴
- マンションギガとの違いは共用部があるかないか(ミニギガはない)
- 3階建て以下で総戸数が8戸以下であることが条件
- 最大速度は下り、上りともに1Gbpsと非常に速い
- 月額料金は全プランの中で2番目に高い
マンションミニギガはマンションギガと同じで1Gbpsという高速通信が行えるタイプです。月額料金は全プランの中で2番目の高さとなっています。マンションギガとの大きな違いは、「共有部の有無」と「設置できる物件の条件」となっています。ギガミニには共有部がなく、物件の条件も「3階建て以下、総戸数も8戸以下」となっています。光ファイバーを直接引き込むタイプですので、他のマンションタイプよりも安定した高速通信を行えるのが大きなメリットと言えるでしょう。
タイプVからGに契約変更する方法
最後に、マンションタイプVからマンションタイプGへ変更する手順を解説していきます。
V契約からG契約に変更できるのは、プロバイダがniftyかau one netの場合のみです。
手続きの方法はやや異なりますので、ここでは「au one net」を例に簡単に流れを解説します。
- My auにログインする
- 項目から「インターネット・電話」を選択
- 「契約内容の確認・変更」を選択
- 「V契約からG契約への申し込みはこちら」を選択
- 「G契約」にチェックを入れ、「確認画面」を選択
- 機器の配送先住所や配送日に変更がなければ先を進む
- ここまでの入力情報を確認して問題なければ「登録」をタップ
これでV契約からG契約へ切り替わります。切り替わったとしてもすぐにV契約として使えるわけではなく、後日届く「G.fastモデム」と入れ替えることで使えるようになります。入れ替え自体も簡単で、ケーブルを差し替えるだけなので安心です。
同梱されている接続設定ガイドをよく読みながら進めていけば問題ありません。因みに、V契約の標準プランからG契約のお得プランに切り替える場合は、上記手続き時に「料金プラン変更の申し込み」から行いましょう。
@niftyの場合はMy auから手続きできませんので、KDDIお客様センターや@niftyに連絡するのが最も簡単で確実な方法です。
注意点
V契約からG契約へ変更する場合、以下のような注意点があります。
プロバイダによっては新規契約となる
現状、そのままの状態で切り替えられるプロバイダは「au one net」と「@nifty」のみです。なぜなら、G契約に対応しているプロバイダがこの2つしかないからです。これ以外のプロバイダと契約している人はそのままタイプGへ切り替えることができません。
「だったらプロバイダもついでに変更する」と思うかもしれませんが、auひかりは途中でプロバイダを変更することができないのです。そのため、上記2つ以外のプロバイダと契約している人は、auひかりを解約して改めて契約し直す必要があります。
解約金が発生する
上記のようにもし解約して新規契約する場合、契約年数によって解約金が発生してしまうことがあります。解約金は契約しているプランなどによって違いますが、更新月以外であれば10,000円前後発生しますし、もし2年未満だった場合は工事費の残債の一括返済が求められることを覚えておきましょう。
それに加えて、auひかりは導入時に工事を行う必要があります。それに伴う工事費も支払わなくてはいけません。これは工事が必要なくても必要です。ただし、プロバイダのキャンペーンなどで初期費用が無料になることもあるので、必ず事前に確認するようにしましょう。
まとめ
今回の記事をまとめるといかのようになります。
- auひかりマンションには8つのタイプが存在している
- タイプを自分で選ぶことはできない(導入されているタイプを使うしかない)
- 基本的にはマンションタイプVが多いが、今後タイプGが増えていく可能性がある
- 通信速度をメインとするならマンションギガがおすすめ
- V契約からG契約へ変更するのは簡単だが、契約中のプロバイダによっては注意が必要
各タイプで特徴や月額料金、通信速度などが大きく異なりますが、タイプを自分で選ぶことができません。そもそもauひかりマンションに対応してない可能性もあります。そのため、もしauひかりマンションが対応していなかったり、希望するマンションタイプでなかった場合、他の光回線との契約も検討してみましょう。
「auひかりがマンションで未導入だった場合の対策」ではauひかりで契約できない場合の対策についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。