NURO光の開通工事が必要なケース・不要なケースや具体的な作業内容を解説

NURO光の開通工事が必要なケース・不要なケースや具体的な作業内容を解説

光回線を導入する際には、必ず「開通工事」というものを行います。これはNURO光も例外ではなく、工事が終わらない限りインターネット回線を使うことはできません。しかし、例外的に工事が不要になるケースもあります。

この記事では、開通工事が必要なケースと不要なケースの違いやNURO光の開通工事の内容を詳しく解説していきます。

NURO光は基本的に開通工事が必要

NURO光の工事内容

NURO光を利用するためには、必ず開通工事が必要になってきます。これは戸建てタイプでもマンションタイプでも基本的には必須です。他の回線事業者の工事と違う点は、工事を2回する必要があるという点でしょう。

  戸建て マンション
屋外工事:1回目
(NTTが行う)
必須 マンションに導入済であれば、不要
宅内工事:2回目
(NUROが行う)
必須 必須

NURO光(S0-net)が行う宅内工事と、NTTが行う屋外工事の2回です。作業時間自体は1~2時間程度となっていますが、工事に立ち会う必要があるため、スケジュールを空けておく必要があります。ただ、状況によっては工事不要になることもあります。

工事不要でインターネットが使えるのはこんな場合

戸建てであれば必須とされている開通工事ですが、ごく稀に工事不要になるケースもあります。どちらかというとマンションで工事不要になるケースが多く、戸建てで1回も工事が要らないケースは本当に稀です。

  工事不要になるケース
戸建て NURO光を再契約した場合で、なおかつ部屋の中にもNURO光の設備がそのまま残っている
マンション 前の住人がNURO光を使っていて、部屋の中にも設備がそのまま残っている

開通工事にかかる費用と期間

では、NURO光の工事にはどのくらいの費用と期間がかかるのか解説していきます。別途料金を支払えば工事の回数を減らすことも可能ですので、資金に余裕があるなら検討してみましょう。

  戸建ての場合 マンションの場合
工事費 44,000円 44,000円
開通までの目安期間 1ヶ月~2ヶ月 2週間~4ヶ月

NURO光の工事費は戸建てタイプもマンションタイプも44,000円となっています。これを契約プランによって分割で支払っていく形になるのですが、「工事費実質無料キャンペーン」があるため基本的には無料です。

》NURO光の料金プランに関する詳細はこちらのページへ

戸建てタイプのスケジュール

  1. 申し込みを行う
  2. 工事日を決める
  3. 宅内工事を行う
  4. 屋外工事を行う
  5. ONUやデバイスなどを設定して開通

戸建てタイプの場合、申し込みを行ってから3~4日後くらいに工事日の連絡が届きます。もし工事日に希望がない場合は、申し込みから10日前後に日程調整の連絡がありますので、スケジュールを調整しましょう。混雑時期でなければ、約1週間で宅内工事は完了します。

屋外工事は宅内工事と施工業者が異なるため、少し期間が空きます。これも時期によりますが、おおよそ1ヶ月ほどになります。そのため、1ヶ月~2ヶ月ほど開通に時間がかかるのです。

マンションタイプのスケジュール

  1. マンションにNURO光を入れてよいか大家さんや管理会社に確認する
  2. 申し込みを行う
  3. 宅内工事を行う
  4. 屋外工事を行う
  5. ONUやデバイスなどの設定を行う

一方のマンションタイプの場合、そのマンションの設備環境によって開通までの期間が大幅に変わります。マンションにNURO光の設備がすでに導入されている場合は、工事も1回で終わるため開通までに2週間ほどの期間となっています。

3月~5月の繫忙期になると工事の予約を取るのに時間がかかってしまいますが、やはり1回で工事が終わるため開通までの期間は早いと言えるでしょう。しかし、マンションにNURO光の設備がない場合は通常より長くなります。

まず、賃貸マンションだとNURO光の設備を導入しても良いか「大家さんや管理会社に許可を取る必要」があります。すんなり許可が取れれば問題ありませんが、説明したり検討の時間を考えればそれだけで1週間ほどかかることもあります。

工事内容も戸建てタイプよりも工程が多い場合もあり、現地調査などにも時間がかかってしまうこともあるのです。基本的な流れは戸建てタイプと余り変わりませんが、ちょっとした部分で期間が短かったり長かったりするのがマンションタイプの特徴と言えます。

NURO光の開通工事の具体的な作業内容

ここからは、NURO光ではどのような開通工事を行っていくのか詳しく解説していきます。戸建てタイプとマンションタイプで分けていますので、自分の環境に合った方を参考にしてみてください。

戸建て

戸建てタイプの場合、光キャビネットの取り付けが「外壁へのビス留めが可能」か「不可能」で方法が変わってきます。これは光ファイバーケーブルを引き込む際に利用され、新設する際には必ず必要となる工程です。もしビス留めが不可能な場合でも、両面テープなどで対応することもできます。

ビス留めが可能な場合

まずはビス留めが可能な場合の工事手順です。

宅内工事
  1. 光キャビネットの取り付け
  2. 宅内へ光ファイバーケーブルを引き込む
  3. 光コンセントを取り付ける
  4. ONUと光コードなどを繋ぐ

光キャビネットを取り付ける際に、外壁にビス留めをして固定・設置をします。ビス留めは合計3箇所で行われ、穴の大きさは約3~4mmほどです。雨漏りなどしないように防水加工も行います。その後、設置した光キャビネットから家の中に光ファイバーケーブルを引き込みます。

引き込みはエアコンのダクトや電話線などの既存配管を利用することが多いですが、設置場所などによってはケーブルを通すための穴を開ける可能性もあるので事前に確認しておきましょう。

宅内へ引き込んだケーブルに光コンセントを取り付けます。光コンセントには「光ローゼット」と「光アウトレット」の2種類があり、光クローゼットはケーブルを通すためのエアコンダクトや開けた穴に取り付ける設備です。

光アウトレットは、室内にある電話線などに取り付けるものとなっています。この光コンセントを設置した後は、インターネットを使うために必要となるONUなどの機器に接続して基本的な宅内工事は完了となります。

屋外工事
  1. 近くの電柱から光ファイバーケーブルを引き込む
  2. 光キャビネットと繋げ、ケーブル同士を接続させる

屋外工事は、近くの電柱から光ファイバーケーブルを引き込むところから始まります。その後、引き込んだケーブルと光キャビネットを繋げるのですが、その際に引留金具を使って固定します。この金具の固定にもビス留めが必要になるのです。基本的に2箇所~4箇所にビス留めします。工事自体はこれで完了となり、後な接続確認とデバイスとの接続設定を行えばインターネットが使えるようになります。

ビス留めが不可能な場合

ビス留めが不可能な場合は、壁面用の両面テープを使って固定していきます。両面テープだと落下する可能性もあるため、落下防止用の吊り線も作成するので安心です。使う両面テープは、接着力の強さと剝がしやすい再剥離性の両方の性質を持つテープとなっています。

それでも外壁の塗料などが剥がれる可能性がありますが、工事短庁舎が材質などを確認した上で施工するため被害は最小限に抑えられるでしょう。ビス留めが両面テープに変わる以外の手順は上記と変わりません。

マンション

次に、マンションタイプの工事内容です。マンションタイプは戸建てと違って、導入するマンションの総戸数によって工事内容が変わってきます。こちらも宅内工事と屋外工事がありますが、どのタイプでも品質が変わることはありません。

簡単な工事内容としては、主配線盤(MDF)から光ファイバーケーブルを通線し、既存の配管から各部屋に光ファイバーケーブルを引き込むという流れになります。光ファイバーケーブルの引き込む方法に関しては、工事当日に業者が状況を確認しながら決定することが多いです。

【主配線盤(MDF)・中間配線盤(IDF)】
マンションのような集合住宅の場合、戸建てよりも多くの回線が引き込まれていることが多いです。通信回線だけでなく、電話回線などもあります。そんな大量の回線をひとまとめにして管理しているのが、「主配線盤(MDF)」のような集線盤です。

各フロアにはサブ配線版として「中間配線盤(IDF)」があります。基本的には、この主配線盤を利用して光ファイバーケーブルを引き込むのですが、もし主配線盤の容量が限界だった場合は他の方法を用いることがあります。

・総戸数40戸以上のマンションの場合
・総戸数39戸以下かつ3階建て以上の場合
・総戸数39戸以下かつ1~2階建ての場合

総戸数40戸以上のマンションの場合

まずは、総戸数40戸以上の大きいマンションの工事内容からです。

宅内工事
  1. 棟内にある既存配管を使い、各戸まで光ファイバーケーブルを引き込む
  2. 部屋の中に光コンセントを取り付ける
  3. 光コードの配線とONUを設置する

まずは、マンションにある既存配管などを使って各部屋まで光ファイバーケーブルを引き込みます。引き込んだ光ファイバーケーブルと部屋に設置した光コンセントを接続します。光コンセントには2種類あり、光アウトレットと光ローゼットです。

光アウトレットは室内にある電話線などに設置し、光クローゼットは既存の配管やエアコンダクトなどから引き込む際に設置します。その際にビス留めを行うことあるので覚えておきましょう。その後、ケーブルとONUを繋いで設置すれば宅内工事は完了です。

回線引き込み工事
  1. 近くの電柱から光ファイバーケーブルを引き込む
  2. 既存の引き込み口などから入線
  3. MDFに「スプリッタ」を1個設置する
  4. NURO光を使う部屋に最も近いIDFにも「スプリッタ」を1個設置する
  5. MDFからIDFへ光ファイバーケーブルを通線する
  6. MDF内で光ファイバーケーブル同士を接続させる
  7. 宅内とスプリッタを接続させる

回線引き込み工事に立ち合いは必要ありません。回線引き込み工事では、まずマンションに近い電柱から光ファイバーケーブルを引き込みます。その際に引き込み口を利用するのですが、光ファイバーケーブルを固定するために新規、もしくは既存の引留金具を利用します。

もし引留金具と引き込み口に距離がある場合は、外壁に光ファイバーケーブルを固定するようになります。新規で引留金具を利用する際に、ビス留めの必要があるので事前に確認しておきましょう。

次に、スプリッタと呼ばれる機器をMDFに設置します。スプリッタは名刺入れほどの大きさとなっていますので、基本的には場所を取らないものです。木板があれば木板、木板がなければマグネット方式で設置するようになります。

その後、IDFにもスプリッタと設置してFDMから通線するようになります。通線する際には穴を開けますが、パテを使って穴を埋めるので雨漏りなどの心配はありません。最後に、宅内にあるスプリッタと接続すれば完了です。

総戸数39戸以下かつ3階建て以上の場合

次に、総戸数39戸以下かつ3階建て以上の場合の工事内容を見ていきましょう。

宅内工事
  1. MDFから光ファイバーケーブルを通線する
  2. 棟内にある既存配管を使い、各戸まで光ファイバーケーブルを引き込む
  3. 部屋の中に光コンセントを取り付ける
  4. 光コードの配線とONUを設置する
屋外工事
  1. 近くの電柱から光ファイバーケーブルを引き込む
  2. 既存の引き込み口などから入線
  3. MDF内で光ファイバーケーブル同士を接続させる

見て分かる通り、総戸数39戸以下かつ3階建て以上の場合の工事内容はほとんど40戸以上の工事内容と変わりません。そのため、ここでは詳しい解説を割愛します。

総戸数39戸以下かつ1~2階建ての場合

最後に、総戸数39戸以下かつ1~2階建ての場合の工事内容です。こちらの場合は、光キャビネットの取り付けの際にビス留めが可能か、それとも不可能かで少し手順が変わります。どちらでも通信品質に関して差はないです。

光キャビネットの取り付けを行わない場合もありますし、「総戸数39戸以下かつ3階建て以上の場合」とまったく同じ工法になる可能性もあります。ただし、これらは業者の方が選ぶためこちら側で指定することはできません。

・ビス留めが可能な場合

宅内工事
  1. 外壁にビス留めを行った上で光キャビネットを取り付ける
  2. 宅内へ光ファイバーケーブルを引き込む
  3. 部屋の中に光コンセントを取り付ける
  4. 光コードの配線とONUを設置する

光キャビネットを取り付ける際、外壁にビス留めを行います。ビス留めは合計3箇所となり、穴の大きさは3~4mmほどです。雨漏りなどしないように防水処理も行います。光キャビネットを設置したら、宅内へ光ファイバーケーブルを引き込みます。

引き込む際には電話線などの既存配管やエアコンダクトを利用しますが、難しい場合は穴を開ける可能性もあるので注意です。宅内に引き込んだ光ファイバーケーブルに光コンセントを取り付け、配線してONUを設置します。

屋外工事
  1. 近くの電柱から光ファイバーケーブルを引き込む
  2. 光キャビネットに接続し、光ファイバーケーブル同士を接続させる

光ファイバーケーブルを固定する際には、既設もしくは新規の引留金具を利用します。新規の場合もビス留めが必要となり、合計2~4箇所ほどビス留めされます。

・ビス留めが不可能な場合
もしビス留めが不可能な場合は、ビス留めではなく両面テープにて光キャビネットを固定するようになります。落下しないように吊り線も作成するため安全です。使う両面テープは戸建てタイプと同様に接着力と再剥離性の両方の性質を持ったものを使っています。工事の工程もビス留めが両面テープに変わる以外、上記と変わりません。

その他、知っておきたい工事に関する豆知識

2回の工事を1日で完了させることも可能

NURO光の工事は、別々の業者がそれぞれ1回ずつの計2回行うと書きましたが、オプションを利用することで2回の工事を1日にまとめてしまうことも可能です。午前中はNURO(So-net)の方で宅内工事を開始し、午後にNTTの方で屋外工事を行います。

このオプションを使えば、次の工事日まで待つ必要もありませんし、立ち合いも1回で終わるため便利と言えるでしょう。ただし、このオプションは5,500円の有料となっていますので、初期費用を気にしない人におすすめです。

土日祝日でも工事の予約は可能

工事日は利用者の都合でスケジュールを決めることができますが、仕事の都合などで平日が無理な人もいるでしょう。その場合、オプションで土日祝日を工事日に指定することも可能です。ただし、オプション料金として3,300円かかってしまいます。

工事は2回あるため、どちらも土日祝日に指定すれば更に3,300円が追加料金として追加されます。工事を1日にまとめれば3,300円となりますが、1日にまとめるとオプション料5,500円がかかるため合計で8,800円となってしまう点に注意です。工事期間を短縮したい人は検討してみましょう。

工事費は実質無料になるキャンペーンがある

NURO光では、工事費を無料にする工事費実質無料キャンペーンを実施しています。活用すれば工事費を支払うことなくNURO光を使えるのですが、ここで注意してほしいのが「実質無料」という点です。

このキャンペーンは工事費がそっくりそのまま無くなるわけではありません。44,000円を分割して請求される工事費と、同じ金額だけ毎月割引することで実質無料にしている形です。

もし契約期間以内で解約した場合は「残債を一括」で請求されます。例えば、G2Dプランを10ヶ月で解約した場合、残り15ヶ月分の工事費が一括で請求されるということです。そのため、NURO光を解約する際にはできるだけ契約期間を満了して更新月で行うようにしましょう。そうすれば、違約金も工事費の残債も発生しません。

開通まではポケットWi-Fiの貸し出しあり


NURO光ではインターネットが開通するまでの期間「ポケットWi-Fi」のレンタルを行っています。利用金額は2ヵ月目までは無料で、3ヵ月目からは月額2,178円で使うことが可能です。

レンタル料金の他には、初期費用として1台あたり2,200円が発生してきます。契約を終了した際には端末を返却しないといけませんので、忘れないようにしましょう。

ポケットWi-Fi利用の流れ

①NURO光の申し込み完了メールに記載されているレンタル専用のURLにアクセス
②Wi-Fi申し込みページから申し込む
③最短翌日に送られてくるので設定する
④デバイス側の接続設定が終われば完了

無制限プランの利用もできる

上記のポケットWi-Fiの場合、月間12GBの通信容量が設定されています。この通信容量を超えてしまうと、通信制限がかかってしまって通信速度が著しく低下してしまいます。

大容量のデータをダウンロードしたり、高画質の動画を長時間視聴すると超えてしまう可能性が高いです。通信速度制限に怯えながら使うのが苦手な人は、月間容量が無制限のプラン(3ヵ月目から月額5,148円)を検討してみましょう。

NURO光の開通工事まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • NURO光を使うなら開通工事は基本的に必須
  • 戸建てタイプとマンションタイプでは工事内容が異なる
  • マンションタイプの場合、構造や棟数によって工事内容が変わる
  • 工事費は44,000円だが「実質無料キャンペーン」を実施中
  • 開通工事が完了するまで長いと4ヶ月近くかかることもある

NURO光では、開通工事が2回必要なことが多い珍しい光回線事業者です。そのため、インターネット開通までの期間は他の光回線より長いことが多いことも覚えておきましょう。

戸建てタイプとマンションタイプで工事内容が異なりますが、マンションタイプの場合はNURO光の設備の有無で開通までの期間に差が出ます。

工事費に関しては、実質無料にできるので安心です。まずはNRUO光の対応エリアなのかを確認し、そこから工事の有無や期間などを確認していきましょう。

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ABOUT著者情報

小田寺 真司

2013年から6年間、通信機器(スマホやインターネット)の営業や販売業務の経験を経て、現在は大手家電量販店のスタッフ様に対してインターネット回線に関する知識研修・補助を行うお仕事をしています。