WiMAXの速度制限はどれくらいでかかる?データ上限の目安と制限後の速度について

WiMAXの速度制限はどれくらいでかかる?データ上限の目安と制限後の速度について

スマホを使っていてパケット通信が上限に達してインターネットが重くなる…誰もが一度は経験してことのある現象ですが、WiMAXにも通信速度制限があります。

WiMAXは無制限で使い放題のイメージがあるため知らない人もいると思いますが、契約内容によって「〇GB以上使ったら制限がかかりますよ」という条件が設定されているのです。このページでは、WiMAXの通信速度制限についてわかりやすく解説しています。

新WiMAX+5Gプランは制限が緩和されている

今からWiMAXを契約される方はこちらのプランになることがほとんどです。

スタンダードモード 制限なし
プラスエリアモード 1ヶ月間で30GB以上使うと速度制限がかかる
(制限後もスタンダードモードの速度に影響なし)

まず、標準時に使うスタンダードモードではデータ容量の制限がありません。常識を逸脱するような使い方をしない限り、無制限で使えるようになっています。

プラスエリアモードは、スタンダードモードで電波の入りにくいときに使うモードで、このモードはauの回線を使うので電波を拾いやすくなります。このモードで月間30GB以上使うと、低速モードになります。

ただ、旧WiMAX2+のプランと違って、プラスエリアモードで制限がかかってもスタンダードモードに戻せば通常通りの速度で利用することができます。これがWiMAX+5Gプランの大きな特徴です。

旧WiMAX2+サービスには、3つの速度制限がある

まずは、WiMAX2+の基本プランである「ギガ放題プラン」と「通常プラン」、そしてどのエリアでも高速通信が可能な「au 4G LTE利用時」の通信速度制限について見ていきましょう。

ギガ放題プラン 3日間で10GB以上使うと速度制限がかかる
通常プラン 1ヶ月間で7GB以上使うと速度制限がかかる
au 4G LTE利用時 1ヶ月間で7GB以上使うと速度制限がかかる

「ギガ放題プラン」の速度制限

「ギガ放題プラン」の速度制限
以前まではかなり人気だったプランで、2020年までに契約された方はほぼこのプランでしょう。ギガ放題プランは実質無制限と表現されることが多いです。

速度制限がかかるデータ量 3日間で10GB
制限される時間 制限量に達した日の翌日18時~翌々日2時
制限後の速度 1Mbps(標準画質の動画再生なら可能)

10GBってどれくらい?データ量の目安

では、10GBでどのくらいの通信ができるのか目安を見ていきましょう。パソコンを使う場合とスマホを使う場合で多少違いますので、そちらも表を見ながら確認していきましょう。左がパソコンを利用した場合、左がスマホを利用した場合になります。

  パソコン スマホ
ネットページ閲覧 約24,000回 約32,000回
LINE画像送信 約20,000回 約20,000回
YouTube(HD視聴) 約13時間 約17時間
Hulu(HD視聴) 約16時間 約30時間
Spotify(高音質) 約139時間
オンラインゲーム 約30時間 約63時間

スマホは画面が小さい分長時間通信することができますが、パソコンの方でも十分に使えると言えるでしょう。1ヶ月間ではなく3日間のため、オンラインゲーム(パソコン)であれば1日に10時間もプレイすることができます。

YouTubeは、標準画質であれば約47時間も視聴することが可能です。1日約15時間近く視聴できますので、その環境だとむしろ10GBを超すことの方が難しいと言えます。あくまで目安になりますので、あくまで参考程度にして自分の感覚も大切にしていきましょう。

制限された後の速度はどれくらい?

ギガ放題プランが通信速度制限になると「1Mbps」という速度まで落ちてしまいます。1Mbpsとは、インターネットのページ閲覧やメールの送受信、SNSの利用にはほとんど影響が出ません。標準画質の動画(YouTubeやニコニコ動画)であれば再生することも可能です。

つまり、ギガ放題プランで通信制限がかかっても、一般的な利用においては何不自由しないということです。

元の速度に戻るのはどのタイミング?


ギガ放題プランで制限がかかるタイミングは特殊です。通信速度制限量に達したとしても、すぐに制限がかかるわけではありません。制限量に達した日の「翌日18時~翌々日2時」となっています。例を見ながら解説します。

【例】
4月18日17時に通信速度制限量に達した。

【通信制限】
4月19日18時~4月20日2時

【制限解除】
4月20日2時~

このようになります。すぐに制限になりませんので、制限がかかるまではいくら使っても問題ありません(大容量通信や違法通信は停止になる可能性アリ)。制限期間も夕方から深夜にかけての8時間程度なので短めです。

それに加えて、制限後の速度も1Mbpsなのでそこまでストレスになることもないでしょう。こういった面で考えてもギガ放題プランは非常におすすめなのです。

「通常プラン」の速度制限

「通常プラン」の速度制限
次に「通常プラン」を見ていきましょう。通常プランはギガ放題プランと比べて月額料金が安いというメリットがあります。その分、通信制限面が厳しくなっているので契約する際には注意しましょう。

速度制限がかかるデータ量 1ヶ月間で7GB
制限される時間 制限がかけられた日から月末まで
制限後の速度 128kbps(メールやLINEの送受信がギリギリ)

7GBってどれくらい?データ量の目安

では、7GBとはどのくらい使えば到達するものなのか目安を見てみましょう。

  1ヶ月【7GB】 1日あたり【約230MB】
webブラウザ 30366ページ閲覧 1012ページ閲覧
メール 143万通 4.7万通
Youtube 58時間視聴 2時間視聴
地図 9786回検索  326回検索
音楽 1790曲 60曲

基本的には上記の表くらいであれば7GBで使うことができます。意外にも使えると思ったかもしれませんが、無意識にネットを使っていることもあるため知らぬ間に制限間近になっていることも珍しくありません。

そして重要なのが「動画視聴」です。1ヶ月間で58時間と考えれば多く感じられるかもしれません。しかし、これはあくまでWiMAXで動画視聴のみを行った場合です。他のことで通信すれば、それだけ動画視聴分も減っていきます。

それに加えて、画質を上げればさらに短くなりますし、高画質にでもなれば10時間ほどで制限がかかることもあるでしょう。この表は目安であり、これ以上使えることもあればこれ以下で制限になってしまうこともあることを覚えておきましょう。

制限された後の速度はどれくらい?

通常プランが通信速度制限にかかると速度は「128kbps」になってしまいます。余りピンと来ないかもしれませんが、この速度はむちゃくちゃ遅いです。具体的に言うと、「LINE」や「メール」の送受信(添付なし)がギリギリできるくらいの速度となっています。

動画視聴はほぼ100%不可能で、画像の表示だけでも数分待たなくてはいけないレベルです。ツイッターのタイムライン更新も時間がかかるでしょう。通信環境的にはストレスしかかからない状況と言えます。そのため、WiMAXと契約する際にはギガ放題プランをおすすめしています。

元の速度に戻るのはどのタイミング?

通常プランの速度制限が解除されるのは、「制限された月の翌月」です。つまり、5月15日に通信速度制限になってしまったら、6月1日までは128kbpsのまま通信しなくてはいけません。そしてここが意外な注意点なのですが、翌月の0:00に即時解除されるわけではないのです。

通信速度制限になって翌月0:00になり「やっとこれで通常のスピードに戻る!」と思って使ってみたら遅いまま…ということが普通にあります。実は、通信速度制限の解除は一斉に行われるわけではありません。順次解除されていきますので、早いときもあれば遅いこともあります。そのため、もし解除日1日待っても解除されなかったら問い合わせてみましょう。

「au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)利用時」の速度制限

「au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)利用時」の速度制限
最後に、au 4G LTEの電波も使った通信速度制限についても見ていきましょう。いわゆる「ハイスピードプラスエリアモード」と言われるもので、通常のWiMAX2+回線と同時に使うことで通信速度の向上とエリア範囲が広がるモードです。

ハイスピードプラスエリアモードとはなにか

基本的に日本であればどこでも高速通信が可能で、通信速度も通常よりも速くなっています。ただし、利用するには別途料金もかかりますし、ハイスピードプラスエリアモードならではの注意点もあります。

速度制限がかかるデータ量 1ヶ月間で7GB
制限される時間 制限がかけられた日から月末まで
制限後の速度 128kbps(メールやLINEの送受信がギリギリ)

7GBってどれくらい?データ量の目安

これは上記の「通常プラン」を目安にしてみましょう。

制限された後の速度はどれくらい?

通信速度は「通常プラン」と同じで128kbpsです。そのため、メールやLINEの送受信がギリギリなのも同様です。

元の速度に戻るのはどのタイミング?

制限が解除されるのも「通常プラン」と同じで翌月になります。

au 4G LTEならではの注意点

通信速度制限に関してはほとんど「通常プラン」と同じなのですが、通常プランにはない注意点があります。それが、「ハイスピードプラスエリアモードが通信制限になるとWiAMX回線を使った通信も強制的に通信制限になる」ということです。
どういうことかと言うと…

【例】
ギガ放題プランで契約(3日間で10GBという通信速度制限)+ハイスピードプラスエリアモードもオプションで契約(1ヶ月間で7GBという通信速度制限)
この状態で5月15日にハイスピードプラスエリアモードに制限がかかってしまった。

この例で考えると、ハイスピードプラスエリアモードは通信制限で128kbpsになったのは分かります。では、ハイスピードプラスエリアモードを解除して通常のWiMAX回線だけを使ったハイスピードモードに切り替えました。

制限がかかったのはハイスピードプラスエリアモードだからハイスピードモードは通常通りの速度が出ると思いますが、今回の場合だとこちらのモードにも強制的に制限がかかってしまうのです。つまり、どのモードに切り替えても128kbpsでしか使えません。

そして、解除されるのはハイスピードモードも翌月になってしまう点も大きな注意点です。ハイスピードモードだけは翌日に解除されると勘違いされている方も多いですが、そちらもハイスピードプラスエリアモードの制限に準ずるため解除されません。

そのため、ハイスピードプラスエリアモードを使う際には通常プラン以上に通信料に気を付ける必要があります。最近ではハイスピードプラスエリアモードの容量がギリギリになると教えてくれたり自動的にハイスピードモードに切り替えてくれる機能もあるので活用していきましょう。

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • WiMAX+5Gプランの標準モードは上限がない無制限のプラン
  • おすすめはもっとも新しいWiMAX+5Gのプラン
  • ギガ放題プランは3日間で10GBという制限がある
  • ギガ放題プランは、制限がかかっても夜間のみで、低速モードでも特に不自由しない
  • au 4G LTEモードは有料のプロパイダもあるので注意

WiMAXと契約する際には、やはりメインとなっているWiMAX+5Gプランがおすすめです。

5Gプランは、3日間で30GB以上使うと低速モードになる制限が緩和されて無制限になりましたので、低速モードになることはほぼありません。

au 4G LTE(プラスエリアモード)は月間30GBまでという上限はあるものの、上限に達してもスタンダードモードの速度には影響がないため、本当に使いやすいです。これからWiMAXを契約される方は新プランであるWiMAX+5Gを選ぶようにしてください。

WiMAXのおすすめプロパイダはこちらを参考に

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ABOUT著者情報

小田寺 真司

2013年から6年間、通信機器(スマホやインターネット)の営業や販売業務の経験を経て、現在は大手家電量販店のスタッフ様に対してインターネット回線に関する知識研修・補助を行うお仕事をしています。