光回線とは?自宅でインターネットを使うまでの流れや費用を優しく解説

光回線とは?自宅でインターネットを使うまでの流れや費用を優しく解説

光回線ってなに?プロパイダの意味もよく分からないし、インターネット回線なのは知っているけどよく分からない…という方は多いはず。私も昔はそうでした。

光回線を利用するにあたって、毎月どれくらいの費用がかかるのか、インターネット開通までの大まかな流れなど、初心者の方向けに優しく解説していますので、参考にしてみてください。

光回線とは

光回線とは、光ファイバーケーブルを利用したインターネット回線のことです。

もともとインターネット回線はアナログ電話回線(ADSL)を用いられていたのですが、今ほど回線速度も速くなく、料金も高額なものでした。光回線になってからは安定した通信状況かつ高速なインターネット通信になり、ほとんどの光回線事業者で、最大1Gbpsという通信速度を提供しています。

大容量データのダウンロードや、高画質動画の視聴、オンラインゲームなど多くの用途で安定した速度が出るのがメリットです。回線事業者によっては2Gbpsや10Gbps出るプランもありますので、自分の用途に合ったものを選びましょう。

2001年に流行したのがADSL回線を使ったインターネット。今私たちが使っているインターネットは、ほぼ光回線です。ADSLは2023年1月31日にサービス終了予定になっています。

光回線の中にも3つの種類がある

光回線のサービス例

種類 企業例
フレッツ光 フレッツ東日本・フレッツ西日本
光コラボ ソフトバンク光、ドコモ光、@nifty光、ビッグローブ光…など
その他の独自回線 auひかり、NURO光、eo光、コミュファ光…など

現在、光回線には3つの種類があります。それぞれどのような特徴があるのか簡単に見ていきましょう。

フレッツ光の特徴

フレッツ光には、以下のような特徴があります。

  • 業界最大手NTTが提供しているインターネット回線
  • 対応エリアは全国となっている
  • 通信速度は光回線として充分のスピードとなっている
  • プロバイダと別契約となり、月額料金が高くなってしまうのがデメリット
  • 請求も別々になってしまうため、支払いは2か所になる

フレッツ光とは、NTTが提供しているインターネットサービスのことです。光回線と聞けばフレッツ光を連想する人もいるくらい、光回線事業を独占していたサービスです。

全国にNTTの光ファイバーケーブルが通っているため、対応エリアが非常に広いのがフレッツ光最大の特徴と言えるでしょう。これまでにインターネット業界を牽引してきたという実績もありますので、安心感のあるサービスとも言えます。

しかし、フレッツ光は単独で契約をしてもインターネットは使えず、プロパイダと呼ばれる別業者とも二重契約しなければいけません。そのため総額の支払い額が高くなってしまうのがデメリットとして挙げられます。

フレッツ光に特別なこだわりがない限り、次に解説する光コラボへの乗り換えを検討してみましょう。

光コラボの特徴

光コラボには、以下のような特徴があります。

  • 利用している回線はNTTのものなので全国が提供エリア
  • フレッツ光よりも月額料金が安くなりやすい
  • 通信速度に関してはフレッツ光とさほど変わらない
  • プロバイダ一体型なので支払い先もまとまって分かりやすい
  • プロバイダの選択をミスらないように注意する

光コラボとは、上記のフレッツ光と同じNTT回線を使ってインターネットを提供するサービスの総称です。有名な事業者だと、ソフトバンク光やドコモ光などが挙げられます。(解説はこちら:光コラボとは?

光コラボの回線自体はフレッツ光と同じNTT回線となっていますので、対応エリアは全国となっている点が強みです。それでいて、プロバイダ一体型のためサポート窓口や請求が一緒になって月額料金も安くやすくなっています。

もしスマホもソフトバンクやドコモを使っている場合、セット割を適用できる可能性も考えられます。そうなれば、毎月のスマホ料金が最大1,100円割引されるため非常にお得です。

通信速度に関しては、NTT回線を使っているためフレッツ光と基本的には変わりませんが、契約するプロバイダによって多少変わります。掲示板やSNSの口コミなどを確認して選択をミスらないようにしましょう。

その他の独自回線の特徴

その他の独自回線には以下のような特徴があります。

  • NTTの回線ではなく独自の回線を用いている光回線サービス
  • 独立回線のため通信速度が安定しやすい
  • インターネット回線の速度がズバ抜けて速い
  • お得なキャンペーンがあり実質月額料金がかなり安い
  • フレッツ光と比較して対応エリアが狭いのがデメリット

フレッツ光と光コラボとの大きな違いは、利用している回線です。フレッツ光と光コラボはNTTが設置した回線を使っていますが、それ以外の光回線は総じて独自回線を利用しています。

そのため、対応していない地域もあるのがデメリットなのですが、独自回線で利用者が限定されているということで回線が混雑しにくいという特徴があります。つまり、通信速度が速くて安定するということです。

フレッツ光と比較しても実測値がズバ抜けて速い傾向にあり、とくにNURO光の通信速度は高い評価を受けています。総評としては、月額料金が安くて通信速度が安定しやすいが、対応エリアが限定的なため契約できない人も多い回線と言えるでしょう。対応エリアの人には非常におすすめです。

光回線以外のネット回線について

光回線以外にもネット回線はいくつかあります。それぞれのネット回線の特徴を簡単にまとめてみました。

ケーブルテレビ回線

ケーブルテレビ回線とは、その名称の通りケーブルテレビの回線を使ったインターネット回線のことです。マンションに「無料でインターネット使いたい放題」と記載されている場合、このケーブルテレビ回線であることが多いです。

回線事業者とプロバイダが同じ業者のため、テレビサービスと電話などをセットで契約することでお得に使えることもあります。元からケーブルテレビを利用している人にはおすすめですが、通信速度は光回線に遥かに及ばないため新規契約するのはおすすめできません。

モバイルWiFiルーター(ポケットWiFi)

モバイル回線とは、回線を通さず対応エリア内であればどこでもインターネットに接続できることが可能な回線のことです。専用の端末が近くになれば、デバイス側で設定するだけですぐに無線WiFiに繋ぐことができます。

ポケットWi-FiやモバイルWi-Fiルーター、WiMAXのようなサービスがこのモバイル回線と呼ばれています。外出先でもエリア内であれば使える点が人気の理由です。

そんなモバイル回線最大の特徴とも言えるのが、「開通工事不要」という点でしょう。光回線を使うためには必ず工事が必要であり、大家さんの許可を取る手間や工事費が必要になってきます。そういった手間がないのも使いやすいと評判です。

ただし、通信速度や安定感に関しては優先の方が上ですし、契約プランによっては利用できる通信容量が決められていることがあります。その容量を超えてしまうと、著しく速度が落ちるのがデメリットです。

ポケットWi-Fiについては「ポケットWiFiとは」のページでもっと詳しく解説しています。

ADSL

ADSL回線とは、電話回線を使ったインターネット回線のことです。光回線が主流になるまでは多くの人が使っていた回線でもあります。ADSL回線は既存の電話回線を使うため、特別な工事がいらないことから申し込みからすぐに使えることが特徴です。開通工事がないため工事費などの初期費用が安く、月額料金自体も光回線と比べると比較的安めに設定されています。

しかし、ノイズに対して弱いというのがADSL回線の弱点です。ノイズの影響を受けてしまうと伝送損失が大きくなってしまい、通信速度が遅くなったり速くなったりと不安定になってしまいます。

NTTでは2023年1月31日にサービス終了が予定されており、今は新規契約ができません。

毎月どれくらいの費用で光回線を使えるのか

では、実際に毎月どのくらいの金額で光回線を使えるのか見ていきましょう。回線事業者やプロバイダによって大きく変わってきますが、基本的にかかってくる費用としては以下のようになります。

光回線の月々の支払い例
  戸建て マンション
回線事業者の月額料金*1 5,200円 4,200円
プロパイダ料金 0円(*1に含まれる) 0円(*1に含まれる)
工事費の分割料金 0円(キャンペーン時) 0円(キャンペーン時)
オプション料金 550円 550円

基本的には回線事業者の月額料金のみで使うことができます。フレッツ光の場合はプロパイダが別会社になるため、さらに料金がかかりますが、他の光回線であればプロパイダ料金はかからないと思ってください。

工事費はキャンペーンで実質無料になっているところが多く、あとはオプション料金が加算される形です。有料オプション(光でんわサービス)を付けた方がセット割で逆に月額料金が安くなるため、550円を参考代に含めました。

戸建てで毎月6,000円、マンションは毎月4,700円ほどで光回線は使えますが、これよりもさらに安くて優秀な光回線もあります。光回線の選び方が分からない方は「失敗しない光回線の選び方・本当におすすめの光回線まとめ」を参考に、どこにするか決めてくださいね!

自宅でインターネットを使うためには

初めて光回線を契約される方向けに、自宅でインターネットを利用するための手順を解説していきます。基本的に難しい手順はありませんので、しっかりと読んで実際に行ってみましょう。

手順①:利用する光回線を決める


まずは、どの光回線事業者と契約するか決めていきましょう。決め方は、以下のような点を確認することをおすすめします。

  • 各光回線の対応エリアを調べる
  • プロバイダ一体型なのか選択型なのか
  • 通信速度は安定して速いのか(口コミなどを参考)
  • 光電話やテレビサービスを利用するかどうか
  • スマホとのセット割を利用できるか
  • お得なキャンペーンを実施しているか

まずは、対応エリアの確認を必ず行いましょう。すべての回線事業者が同じエリアに対応しているわけではないからです。フレッツ光回線を利用するソフトバンク光やドコモ光は全国的に利用することができますが、auひかりやNURO光などのような独立回線だと利用できるエリアが制限されています。

利用したいオプションも事前に確認しておけばトラブルに発展することもないでしょう。アナログ電話を光電話に、テレビサービスをひかりテレビに切り替えたい人は、そういったサービスを提供している事業者を選ぶ方法もあります。

スマホキャリアが同一サービスであれば、お得なセット割を受けられるため重要視すべきポイントです。最後に、新規契約時や乗り換え時に使える公式キャンペーンの有無、内容や提供条件なども確認しておくと長期間お得に使えることができるでしょう。

手順②:プロバイダを決める


利用する光回線事業者が決まれば、続いてプロバイダの方も決めていきましょう。プロバイダを決める際のポイントは以下のようなものがあります。

  • 月額料金プラン
  • 通信速度の実測値
  • サポート窓口の繋がりやすさや対応
  • お得なキャンペーンを実施しているか

回線事業者の中には、プロバイダによって月額料金プランが分かれていることがあります。例えば、ドコモ光はプロバイダによってタイプAとBで分かれており、Aの方が安くなっているのです。

回線速度などに差はないため、もしドコモ光を利用するのであればタイプAのプロバイダを選んだ方がお得になります。このように、プロバイダ毎の月額料金プランの確認は必須と言えるでしょう。

そして、通信速度の実測値もプロバイダによって大きく異なります。使っているエリアや時間帯によって誤差はありますが、口コミや実測値を調べることができるサイトなどを利用して確認してみましょう。

光回線事業者選択時よりも重要なのが「キャンペーン」の実施状況です。プロバイダが行っているキャンペーンは公式キャンペーンよりも豪華で、場合によっては50,000円以上のキャッシュバックを受けることができます。

手順③:申し込みを行う


契約する回線事業者やプロバイダが決まれば、契約のために申し込みを行います。光回線の申し込み方法は以下のようなものがあります。

  • 公式ホームページ
  • 電話
  • ショップ(auショップやソフトバンクショップなど)
  • 家電量販店
  • WEB代理店

ショップや家電量販店であればスタッフに直接質問しながら手続きを進めることができるため、インターネット関連に疎い人にはメリットです。しかし、こういった場所で申し込むと事業者の公式キャンペーンしか受け取ることができず、実質月額料金という面ではデメリットと言えるでしょう。

公式ホームページと電話は家で申し込みできるため移動する手間がないというメリットはありますが、こちらも公式キャンペーンしか受け取ることができません。

光回線のおすすめ申し込み窓口は、「WEB代理店」です。まず、こちらも家から手続きできるため移動という手間はありません。月額利用料金やオプションなどに関しても詳しく記載がありますし、分からないことがあればサポート窓口で質問することもできます。

そして、代理店独自のキャンペーンを受け取れるのが何よりも大きいです。キャッシュバック額によって実質月額料金も大きく変わってきますので、そういった点にも注目しながら申し込みしていきましょう。

手順③:ネット回線の開通工事を行う


自宅でインターネットを利用するには、家の中に回線を引き込む必要があります。それには派遣業者による工事が必要となりますので、まずは工事日を設定しなくてはいけません。

工事を行う場合は必ず立ち合いが必要になるため、立ち会える日を設定する必要があります。ただし、土日祝日に工事日を設定してしまうと、工事費用とは別に手数料がかかってしまうこともあるため注意しましょう。工事にかかる時間は1時間~2時間程度です。

参考:いったいどんな工事?光回線の工事内容やインターネット開通までの流れ

手順④:プロパイダ設定を行う


工事が終われば、プロバイダ設定とデバイス側の設定をすればインターネットが使えるようになります。しかし、この設定自体は業者ではなく契約者本人がやる必要があります。

プロバイダから送られてきた機器と共に、お客様IDやパスワードが記載された紙が送られてくることが多いです。その情報は、プロバイダ設定に必要になるため届いた時点でしっかりと保管しておくことをおすすめします。プロバイダ設定自体はそこまで難しくありません。

デバイス側の設定も難しいことはありませんが、パソコンの型番やスマホの機種などによって設定画面や手順が少し異なってきます。とくにパソコンであればWindowsとMac、スマホであればandroidとiOSに大きな違いがあります。

慣れている人であれば問題ないと思いますが、少しでも不安に感じている人はプロバイダが提供している「訪問サポート」のサービスを利用してみましょう。初回のみ無料でやってくれるプロバイダもあるためおすすめです。

光回線に関するよくある質問

最後に、光回線に関してよくある質問をQ&Aという形で解説していきます。

Q.プロパイダってなに?

プロバイダとは、回線事業者が提供している回線を使って「インターネットが使えるようにする業者」のことです。回線事業者が提供しているのはあくまで「回線のみ」であって、実際にインターネットに繋げる役割はプロバイダになっています。

そのため、回線事業者・プロバイダの片方と契約してもインターネットを使うことはできないのです。光回線のプロバイダに関しては「プロパイダとは?プロパイダ毎に何が違うのか、選び方などをやさしく解説」で詳しく解説しています。

Q.光回線でWiFiはどうやって使うの?

光回線でWi-Fiを利用するには、まずWi-Fiルーターを用意する必要があります。Wi-Fiルーターはプロバイダからレンタルすることもできますし、自分で購入することもできます。

プロバイダからレンタルする場合は、無料のこともあれば有料のこともありますので、できるだけ無料のプロバイダを選ぶと良いでしょう。参考:光回線のおすすめWiFiルーターや自分で購入する必要がない光回線まとめ。

Wi-Fiルーターの用意ができたら、次にONUやモデムに接続します。接続と言っても、それぞれをLANケーブルで繋ぐだけですので、とくに難しい工程はありません。ただし、ルーターによって差込口が違うため注意です。

正常に接続できれば、この時点でWi-Fi自体は飛ぶようになっています。そのため、あとはデバイス側の接続設定をすればWi-Fiでインターネットが使えるようになります。

》接続方法の参考はこちら

Q.光回線に通信速度の制限はある?

スマホやポケットWi-Fiなどには、データ容量を一定数超えてしまうと通信速度制限が入ってしまうことがあります。しかし、光回線には一切通信速度制限がかかることはありません。大容量のデータをダウンロードしても、高画質の動画視聴をしても通信制限はかからないので安心して使うことができます。

Q.光回線を契約したら工事は必ず必要?

「光回線=工事が必要」というイメージがありますが、場合によっては工事が必要ないこともあります。工事が必要ない場合とは、以下のような条件に当てはまったときのみです。

  • フレッツ光からの転用、光コラボから光コラボへ乗り換えする事業者変更
  • 住んでいる家やマンションに元から設備が整っている
  • 入居した時点で契約した光回線が使える状況である

上記のような場合には、基本的に工事を行うことはありません。そのため、工事費も必要ないですし、インターネットもすぐに使えるようになります。ただし、工事を行わないから工事費が発生しないというわけではありません。

無派遣工事だったとしても、一定の工事費は請求されてしまいます。相場としては2,000円前後となっていますので、工事なしでも初期費用に工事費が含まれる可能性を頭に入れておきましょう。

Q.おすすめの光回線はどれ?

おすすめの光回線は、あなたが今使っている携帯キャリアによってまず大きく分類されます。光回線は、スマホ代が最大1,100円割引されるセット割のサービスが使えるところを選ぶことがもっともお得なのです。

そこからさらに月額料金や回線速度、サービスなどで絞り込みをしていくのがいいでしょう。詳しくは「光回線の失敗しない選び方とおすすめの回線事業者」のページで解説していますので、参考にしてください。

記事の共有はこちら

ABOUT著者情報

小田寺 真司

2013年から6年間、通信機器(スマホやインターネット)の営業や販売業務の経験を経て、現在は大手家電量販店のスタッフ様に対してインターネット回線に関する知識研修・補助を行うお仕事をしています。